KMS サーバーのインストールと運用について – Part2

ボリュームライセンス認証の計画

Windows 8.1 および Windows Server 2012 R2 で提供される KMS キーはクライアントとサーバーの2種類が提供されています。

KMS キー製品グループがクライアントの場合は、全てのエディションのクライアント OS の認証をサポートしています。

クライアント KMS キーを使用して、KMS ホストを構築できる Windows のバージョンは、Windows Vista、Windows 7 および Windows 8 のクライアント OS に限られます。当然ながら、クライアントで構成した KMS ホストではサーバーの認証はサポートしません。

KMS キー製品グループがサーバーの場合は、全てのエディションのクライアント OS およびサーバー OS の認証をサポートしています。よって、サーバーの KMS キーはクライアント KMS キーを包括していることになります。

サーバー KMS キーを使用して、KMS ホストを構築できるWindows Serverのバージョンは、Windows Server 2008 以上のサーバー OS になります。

KMSキー製品グループKMSホストとして構成できる Windows のバージョン認証できる Windows エディション
クライアントWindows Vista SP2*
Windows 7 SP1*
Windows 8*
Windows 8.1
Windows Vista Business
Windows Vista Enterprise
Windows 7 Professional
Windows 7 Enterprise
Windows 8 Pro
Windows 8 Enterprise
Windows 8.1 Pro
Windows 8.1 Enterprise
サーバーWindows Server 2008 SP2*
Windows Server 2008 R2 SP1*
Windows Server 2012 Standard*
Windows Server 2012 Datacenter*
Windows Server 2012 R2 Standard
Windows Server 2012 R2 Datacenter
Windows Vista Business
Windows Vista Enterprise
Windows 7 Professional
Windows 7 Enterprise
Windows 8 Pro
Windows 8 Enterprise
Windows 8.1 Pro
Windows 8.1 Enterprise
Windows Server 2008 (全てのエディション)
Windows Server 2008 R2 (全てのエディション)
Windows Server 2012 (全てのエディション)
Windows Server 2012 R2 (全てのエディション)

*のOSを使用してKMSホストを構成する際は更新プログラムを適用する必要があります。

既存のKMSサーバーが存在する場合

Windows 8.1 および Windows Server 2012 R2 で提供される KMS キーを既存の KMS サーバーにインストールするには、更新プログラムを適用する必要があります。

Update adds support for Windows 8.1 and Windows Server 2012 R2 clients to Windows Server 2008, Windows 7, Windows Server 2008 R2, Windows 8, and Windows Server 2012 KMS hosts

http://support.microsoft.com/kb/2885698/en-us

更新プログラム適用後に次のコマンドを入力することでインストールができます。

slmgr /ipk < KMS キー>

Active Directory によるライセンス認証の計画

Active Directory によるライセンス認証では、追加の専用サーバーを用意する必要はないので、既存のサーバーを使用してインストール可能です。また、KMSのような認証を行うための台数の要件はないので、1台から認証可能です。ただし、次の要件があります。

  • RODCではライセンス認証を構成できない
  • AD DS 以外のディレクトリサービスと共存できない
  • Windows Server 2012 スキーマレベルが必須

よって、既に Windows Server 2012 / 2012 R2 の DC が存在する場合は要件を満たしています。

キー管理サービス (KMS) ライセンス認証の計画

KMS ホストは KMS ホスト自身のライセンス認証を行うために1度だけインターネット接続が必要です(電話でも可能)。そしてよく勘違いされる方が多いのが、クライアントが KMS ホストでライセンス認証をするとその情報をインターネットを通じてマイクロソフトに送信するというものです。実際には、KMS ホストで認証されたクライアント情報は一切マイクロソフトには送信しません。よって、KMS ホストが認証されたら、インターネット環境はなくてもライセンス認証は可能です。

1台の KMS ホストで数万台の KMS クライアントをサポートしますので、ほとんどの企業ではインフラストラクチャ全体で 2 台の KMS ホストでの運用が可能です。この KMS ホストは物理、仮想サーバー問わず機能します。ちなみに、KMSキーは最大6台の KMS ホストにインストール可能です。

ボリュームライセンスメディアの既定の状態は、KMS クライアントのキー (GVLK) が設定されています。既存のコンピューターで MAK 認証がされており、KMS 認証に切り替えたい場合は、KMS クライアントのキー (GVLK)を入力します。

KMS クライアントが KMS ホストで認証されるためには、DNS SRVレコードに下記記述が必要です。

KMS SRV レコード

名前設定
サービス_VLMCS
プロトコル_TCP
ポート番号1688
サービスを提供しているホストKMS ホストの完全修飾ドメイン名 (FQDN)

ドメインに参加した KMS ホストの場合は、SRVレコードは自動登録されます。(ADライセンス認証にはこのレコードは必要ありません)

仮想マシンの自動ライセンス認証

Windows Server 2012 R2 では、自動ライセンス認証 (AVMA: Automatic Virtual Machine Activation) 機能が新たに追加されています。自動ライセンス認証である AVMA は Hyper-V 上で動作する仮想マシンに対する認証プロセスであり、物理マシンでは機能しません。この認証プロセスは AVMA キーを仮想マシンに設定することによって、KMS サーバーやインターネット経由のライセンス認証を行うことなく、自動的にライセンス認証が行われます。

ただし、要件としてホストOSが Windows Server 2012 R2 Datacenter Edition でライセンス認証済みである必要があります。ゲスト OS は Windows Server 2012 R2 の各エディションのみ対応しています。

AVMA ライセンスキー

オペレーティングシステムエディション AVMA キー
DatacenterY4TGP-NPTV9-HTC2H-7MGQ3-DV4TW
StandardDBGBW-NPF86-BJVTX-K3WKJ-MTB6V
EssentialsK2XGM-NMBT3-2R6Q8-WF2FK-P36R2

MAK / KMS 認証上限数を超えてしまった際の対処方法

よくあるトラブルとして、KMS キーを KMS クライアントのキー (GVLK) と間違えて使用してしまい、KMS キーが認証上限数を超えてしまうことがあります。そのような場合は、ホームページで申請するか、マイクロソフトのライセンス認証窓口に問い合わせる必要があります。

MAK / KMS 認証上限数変更申請フォーム

ライセンス認証専用窓口

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