SP1がマイクロソフトより提供されたこともあり、SP1関連の記事が多く見受けられるようになりましたね。とりあえず、備忘録として覚えておくべき事項をまとめておきます。
まず、SP1によるHyper-Vの重要な機能アップデートとして Dynamic Memory があります。こちらは全てのゲストOSが利用できるわけではありません。
Hyper-V Dynamic Memory Configuration Guide
http://technet.microsoft.com/ja-jp/library/ff817651(WS.10).aspx
サポートされているOSは以下の通り。
ゲストOS | エディション | 動作要件 |
Windows Server 2008 R2 | Standard / Web | SP1導入 |
Windows Server 2008 R2 | Enterprise / Datacenter | SP1導入 |
Windows 7 | Ultimate / Enterprise (32-bit and 64-bit) | SP1導入 |
Windows Server 2008 with Service Pack 2 | Standard / Web | ホットフィックス導入(http://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=206472) 最新の統合サービス導入 |
Windows Server 2008 with Service Pack 2 | Enterprise / Datacenter | 最新の統合サービス導入 |
Windows Vista with Service Pack 1 | Ultimate / Enterprise | 最新の統合サービス導入 |
Windows Server 2003 R2 with Service Pack 2 | Standard / Web / Enterprise / Datacenter (32-bit and 64-bit) | 最新の統合サービス導入 |
Windows Server 2003 with Service Pack 2 | Standard / Web / Enterprise / Datacenter (32-bit and 64-bit) | 最新の統合サービス導入 |
また、スタートアップ RAM 指定における最小メモリは
- Windows Server 2003 シリーズは128M
- Windows Vista 以降は512M
Dynamic Memory を使用するとホストOSのメモリもぎりぎりまで使用されるので、ホストOS用のメモリ領域予約をレジストリから指定することができる。
キー: HKEY_LOCAL_MACHINESOFTWAREMicrosoftWindows NTCurrentVersionVirtualization
値の名前 (型): MemoryReserve (DWORD値)
値のデータ: ホストOSに予約するメモリ サイズ (MB)
では、ホストOSに必要なメモリサイズはどのくらいがいいのか?
以前はフルインストールは2G、サーバーコアは1Gと言っていましたが、実際には次の通り
固定的に必要
ペアレント OS だけが起動した状態で、 512 MB の空きメモリ物理メモリ量に応じて増える
PFN データベース: 物理メモリのページ数 * 48 バイト
非ページ プール: (例) メモリ 32 GB で 1.4 GB仮想マシンの数と大きさによる
仮想マシン一台あたり 32 MB
仮想マシンのメモリが 1 GB を超える場合、 増分 1 GB につき 8 MB
よって、特に注意が必要なのは物理メモリが多い場合ですね。例えば物理メモリ32Gの場合は非ページプールだけで1.4G消費します。ということで、その場合は物理に4G程度予約しておけば間違いないですね。
また、NUMAに関する項目も増えています。
これはマルチプロセッサ構成の際に、メモリを効率的に管理するものになります。NUMAに関する情報はこちらに書いてありました。
NUMA (Non-Uniform Memory Access、Non-Uniform Memory Architecture)
http://www.atmarkit.co.jp/icd/root/77/44603477.html
デフォルトの状態では、チェックが入っていますが、パフォーマンス低下の原因になるのが気になります。パフォーマンスを気にするのであればチェックをはずす必要があります。
また新機能として、VDIで活用が期待される RemoteFX もありますが、評価環境がないのでこれは忘れることにします(笑)