クラスターファイル共有の見え方に関して、MSCS(Windows Server 2003) と MSFC(Windows Server 2008)では見え方が異なります。
以前質問があったので備忘録としてまとめておきます。
まずは、参考情報として
File Share ‘Scoping’ in Windows Server 2008 Failover Clusters
http://blogs.technet.com/b/askcore/archive/2009/01/09/file-share-scoping-in-windows-server-2008-failover-clusters.aspx
MSCS でファイル共有クラスターを作成します。クラスター上のファイルサーバーである、van-file0の共有は「Share」で、van-w2k3aにはローカルのファイル共有として「NodeA」、van-w2k3bにはローカルのファイル共有として「NodeB」という共有をそれぞれ作成します。
van-w2k3a上でvan-file0が動作している場合のクライアントからの見え方は次の通り
\van-file0 でアクセスすると、クラスター上のファイル共有および、そのファイルサーバーが動作しているノードのローカルのファイル共有が見えます。
\van-w2k3a でアクセスすると、ローカルのファイル共有および、ファイルサーバーが提供しているファイル共有も見えます。これは現在、van-w2k3a上でファイルサーバーが動作しているからです。
\van-w2k3b でアクセスすると、ローカルのファイル共有のみが見えます。
\10.10.0.102 という仮想クラスターIPでアクセスすると、仮想サーバー名と同様に見えます。
van-w2k3b上でvan-file0が動作している場合のクライアントからの見え方は次の通り
\van-w2k3a でアクセスすると、ローカルのファイル共有のみが見えます。
\van-w2k3b でアクセスすると、ローカルのファイル共有および、ファイルサーバーが提供しているファイル共有も見えます。これは現在、van-w2k3b上でファイルサーバーが動作しているからです。
\10.10.0.102 という仮想クラスターIPでアクセスすると、仮想サーバー名と同様に見えます。
次に、MSFC でファイル共有クラスターを作成します。クラスター上のファイルサーバーである、van-file1の共有は「CL_Share」で、van-nodeaにはローカルのファイル共有として「NodeA」、van-nodebにはローカルのファイル共有として「NodeB」という共有をそれぞれ作成します。
van-nodea上でvan-file1が動作している場合のクライアントからの見え方は次の通り
\van-file1 でアクセスすると、クラスター上のファイル共有が見えます。現在van-nodeaで動作していますが、ローカルのファイル共有は見えません。
\van-nodea でアクセスすると、ローカルのファイル共有のみが見えます。現在van-nodeaでクラスター上のファイルサーバーであるvan-file1が動作していますが、クラスター上のファイル共有は見えません。
\van-nodeb でアクセスすると、ローカルのファイル共有のみが見えます。
\10.10.0.111 という、という仮想クラスターIPでアクセスすると、ファイルサーバーが動作しているノードである、van-nodeaのローカルのファイル共有のみが見えます。
フェイルオーバーさせ、今度はvan-nodeb上でファイルサーバーを動作させます。
\van-file1 でアクセスすると、クラスター上のファイル共有が見えます。現在van-nodebで動作していますが、ローカルのファイル共有は見えません。
\van-nodea でアクセスすると、ローカルのファイル共有のみが見えます。
\van-nodeb でアクセスすると、ローカルのファイル共有のみが見えます。現在van-nodebでクラスター上のファイルサーバーであるvan-file1が動作していますが、クラスター上のファイル共有は見えません。
\10.10.0.111 という、という仮想クラスターIPでアクセスすると、ファイルサーバーが動作しているノードである、van-nodebのローカルのファイル共有のみが見えます。
そして、DNSにCNAMEレコードでfs1(van-file1)を登録して、\fs1 としてアクセスすると、ファイルサーバーが動作しているノードである、van-nodebのローカルのファイル共有のみが見えます。
これらの動作になることから、Windows Server 2008 の MSFCのファイル共有では、登録されたコンピューター名でのみアクセスが行われるということになります。その際CNAMEなどでエイリアスを作っても、そのエイリアスではアクセスできないですね。