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Windows Server 2012 のクラスターログに関して

Windows Server 2008 R2 のクラスターでは Event Tracing for Windows (ETW) を使用して クラスターイベントを収集し、etl ファイルを生成していました。その設定は、スタートアップ イベント トレース セッションとしてクラスター診断用のトレースが設定され、このトレースセッションによって、[C:WindowsSystem32winevtlogs] に ETL ファイルが出力されていました。

この ETL ファイルを元ネタとして Tracerpt.exe を使用してイベントビューワー形式にするか、Get-Clusterlog コマンドを使用してテキストに変換するなどして、クラスターログを確認していました。

Windows Server 2012 の クラスター構成においては、この ETL ファイルは吐き出されなくなりました。よって、イベントトレースセッションにもクラスターログの設定はありません。

どうやら、Windows Server 2012 では、Operational と Diagnostic が取得されるようになり、ETL ファイル相当の内容は Diagnostic に出力がされるようになったようです。 要するに、わざわざ ETL から Tracerpt.exe を使用して変換をしなくてもイベントビューワーで見れるようになったと考えられます。

以前と同様にテキスト形式のクラスターログは、Get-ClusterLog コマンドを使用します。

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動的なクォーラム監視に関して

Windows Server 2012 から追加されたダイナミッククォーラムと何が違うのか?ということですが、今までのダイナミッククォーラムはノードのみを対象とした制御だったものが、監視ディスクや監視ファイルも制御対象になったということになります。

そもそも、監視ディスクは投票権を持つだけではなく、クラスタコアリソース(デフォルト仮想サーバー)からクラスタ構成データベースの情報を同期するという役目を持っています。ですので、最終的に最新の情報を監視ディスクが持つことになります。これが監視ディスクなしのノードマジョリティー構成の場合は、最新のクラスタ構成データベースは一番最後にダウンしたノードが持つことになり運用に課題がありました。

そのようなこともあり、「ノードマジョリティー」構成よりも「ノード及びディスクマジョリティ」で運用するのがよりベターということになります。しかし、Windows Server 2008 R2 のころはノード数によって推奨のクォーラムモードがことなるので、ノードが偶数のときは「ノード及びディスクマジョリティ」、奇数の時は「ノードマジョリティー」となっていました。

Windows Server 2012 では基本的な考え方は以前と変わりないですが、ノード全体数の過半数を維持できない状態でもクラスターが存続する仕組みを搭載しました。それが「ダイナミッククォーラム」になります。

そして、今回搭載された「動的なクォーラム監視」が追加されたことによって、基本的な構成として「ノード及びディスクマジョリティ」が推奨になるということだと考えられます。

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仮想ハードディスク共有に関して

遅ればせながら、Windows Server 2012 R2 preview を入れて検証をしています。

ということで、興味のあった「仮想ハードディスク共有」を検証してみました。

仮想ハードディスク共有とは、仮想マシンに接続する仮想ディスク(VHDX)を複数の仮想マシンで共有して使用するものです。ターゲットはクラスターの共有ディスクとしての使用です。

今までは、仮想マシン上でクラスターを構成するためには iSCSI or FCoE を使用して共有ディスクを接続するしかなかったのですが、SMB3.0 を使用することにより仮想ディスク共有ができるようになりました。

ただし次の要件があります。

仮想ディスク(VHDX)の保存場所は スケールアウトファイルサーバー(SOFS) 共有、もしくは、MSFC の クラスター共有ボリューム(CSVFS)になります。通常はSOFS を構築することになりますね。

SOFS に関しては「Windows Server 2012 フェールオーバー クラスタリングの構築・運用・管理ガイド」を参考に構築していただけれと思います。

設定方法はいたって簡単!

仮想ハードディスクを予め、SOFSに保存しておきます。そして仮想ハードディスク追加して指定します。

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Windows Server 2012 Hyper-V と SMB3.0

Windows Server 2012 に搭載された SMB 3.0 のファイル共有において、仮想マシンを配置できるようになりました。そこでさまざまなパターンを想定し検証してみました。

パターン1

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Hyper-V ホストが2台あり、ファイルファーバーが1台という構成です。当然ながら Hyper-V ホストおよびファイルサーバーの冗長性は確保されていません。ファイル共有に仮想マシンを配置することによる運用が可能です。

パターン2

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Hyper-V ホストをクラスター化し、ファイルサーバーが1台という構成です。これにより、Hyper-V ホストは冗長化され耐障害性が向上しますが、ファイルサーバーがダウンしたら仮想マシンは全滅します。この際の設定ポイントは、ファイル共有のアクセス権に Hyper-V ホストのコンピューターオブジェクトに対してフルコントロールを適用させることです。これを行わないとライブマイグレーションができません。

パターン3

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これは、Hyper-V ホストをクラスター化することにより、仮想マシンの冗長性を確保。そして、ファイルサーバーは通常のクラスター化されたファイルサーバーではなく、Windows Server 2012 より使用できるようになったスケールアウトファイルサーバーにします。クラスター化されたファイルサーバーだとノートがダウンした際に多少のダウンタイムが発生するのでそれが仮想マシンからみると障害と認識される可能性が高いので・・・・

スケールアウトファイルサーバーにおいては、CSVFS上にファイル共有を作成しダウンタイムなしにノードの切り替えが可能なので仮想マシンの置き場所であるファイルサーバーの障害性が向上します。

この際も、必ずファイル共有のアクセス権に Hyper-V ホストのコンピューターオブジェクトのフルコントロールを適用させるのを忘れずに行う必要があります。

まとめ

SMB3.0の共有を使用することにより、仮想マシンを配置する構成が可能になりました。ファイル共有のタイプはシングル、クラスター、SOFSどのパターンでも使用可能です。そしてホスト側もシングル、クラスター関係なく使用可能です。

今までは各 Hyper-V ホストに対して iSCSI や Fiber などを予め接続する必要がありましたがその構成が必要なくなります。これは大きなメリットになると考えられます。今後はSMB3.0を使用した構成が増えてくるかもしれません。

VMM からの Hyper-V Cluster 構成

今回は VMM から Hyper-V Cluster 構成を行ってみました。

そもそも、System Center 2012 VMM よりこの機能はありました。そうです、ありましたが実は日本語環境では動かなかったのです!

なんとKBも出ています。なんともまあ、大人の事情でできるとは言っていませんでした。あくまでも機能がありますと(笑)

“Install cluster” job fails with Error 25310 when using the Japanese version of System Center 2012 Virtual Machine Manager
http://support.microsoft.com/kb/2685730/ja?wa=wsignin1.0

しかし、SC2012SP1 では問題なく動くということを聞きましたのでテストしてみました。

VMM コンソールより [ファブリック] を選択し、ラベルの作成から [Hyper-V] クラスターを選択します。

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VMM 導入後は Hyper-V や Cluster から仮想マシンの設定をしない

はい、意外と知らない方が多いので備忘録として載せておきます。

まずはKBが出ていたのでこちらをご覧ください。

System Center Virtual Machine Manager 2008 R2 または System Center 2012 Virtual Machine Manager で管理しているフェールオーバー クラスター、ホスト、仮想マシンの設定や構成を、フェールオーバー クラスター マネージャーや Hyper-V マネージャーから変更すると、データの不整合が発生する場合がある
http://support.microsoft.com/kb/2810814

要するに、VMM 以外のコンソールを使用して仮想マシンの設定変更を行うと、VMM データベースにその変更内容が更新されずに不整合が起こることがあります。

それを修復するには、いったん Hyper-V や Cluster をアンインストールして再参加させる必要があります。

よって、仮想マシンの設定変更は必ず、VMM コンソールから行うようにしましょう!

Cluster 検証~その4

ダイナミッククォーラムに関して

今回は次のようにテストしてみました。

Cluster-Network

ネットワークを分断させることによってどのような挙動になるかを確認します。ダイナミッククォーラムがきちんと動作すれば 2 ノード側のクラスターが停止し、3 ノード側が存続するはずです。

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Cluster 検証~その3

クォーラムに関して

クォーラムに関しては以前議論したことがあり、さまざまな意見がありますが、私は次のように理解しています。Windows Server 2003 のころの MSCS と呼ばれていたクラスターでは、クォーラムといえば、クラスター構成データベース(ChkXXX.tmp)が配置された共有ディスクをクォーラムディスクと呼んでいました。そして、そのディスクの中身をクォーラムと呼んでいました。

Windows Server 2008 の MSFC と呼ばれるクラスターからは、クォーラムはクラスター存続の仕組みとして呼ばれるようになりました。

Windows Server 2012 のヘルプには、このように書いてあります。

クォーラムとは、クラスターが動作し続けるために、オンラインである必要のある “投票” できるクラスター要素の数です。クォーラム要素には、クラスター ノードと、オプションでクォーラム監視があります。クォーラム監視では、複数のクラスター ノード間のすべてのネットワーク通信リンクが失敗した場合の判別がサポートされます (“スプリット ブレイン” シナリオと呼ばれる場合もあります)。クォーラム監視では、専用のディスク監視、またはファイル共有監視を行うことができます。ディスク監視ではクラスター データベースのコピーを保存しますが、ファイル共有監視では保存しません。

Windows Server 2008 では 4 つのクォーラムモードがありました。

  • ノードマジョリティ
  • ノードおよびディスクマジョリティ
  • ノートおよびファイル共有マジョリティ
  • マジョリティなし:ディスクのみ

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Cluster 検証~その2

クラスターコア リソースに関して

Cluster を作成すると、管理サーバーに相当するのが、クラスターコアリソースになります。

Windows Server 2008 R2 の時は、ほとんど制御ができませんでしたが、 Windows Server 2012 ではかなりカスタマイズできました。

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クラスターコアリソースのグループ名は「クラスター グループ」になります。これが、分かりずらい・・・・変わっていません。

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