Security Compliance Manager はマイクロソフトから提供されている Solution Acceleratores のアプリケーションになります。
「GPO」タグアーカイブ
制限されたグループの制御に関して
今更ながら「制限されたグループ」の制御に関してまとめておきます。GPOの制御において、この「制限されたグループ」を使用することによってADのGPOの便利さを堪能できると思われます。
シナリオ
Fabrikam(という企業)のヘルプデスクの役割が今までは電話対応のみでしたが、今後はリモートデスクトップや、現地での作業も行うことになりました。よって、クライアントのローカルの「administrators」グループのメンバーとして、「GG_HelpDesk(グローバルグループ)」を追加する必要があります。
パターン1
Fabrikamではユーザーに対してローカルのadministrators権限を付与することによって、ユーザーに対して自由にコンピューターの管理を行ってもらっています。よって、現在のadministratorsのメンバー情報はそのままに、「GG_HelpDesk」を追加する必要があります。
パターン2
Fabrikamではユーザーに対してローカルのadministrators権限を付与することはしません。あくまでも、情報システム部主体でコンピューターの管理を行います。よって、ローカルのadministratorsのメンバーは情報システムが把握したメンバーとなります。
Windows Server 2008 でのセキュリティ環境構築を考える
Windows Server 2003では、マイクロソフトより「Windows Server 2003 セキュリティ ガイド」が提供されていましたのでそれを元にセキュリティ対策を行っていました。
Windows Server 2003 セキュリティ ガイド
https://technet.microsoft.com/ja-jp/library/cc163140.aspx
このセキュリティガイドには次のものが入っています
- ガイドドキュメント
- セキュリティテンプレート
通常、このガイドドキュメントに添付されているセキュリティテンプレートをベースとして、企業でカスタマイズを行いGPOにインポートを行ってセキュリティ環境を構築するという流れでした。
グループポリシーのアーキテクチャ~その2~
ここでグループポリシーのまとめをします。
Windows Server 2008になってアーキテクチャが変更されたのは前回お話しいたしました。
そこで今回は疑問が生じるであろう内容をQ&A形式で書いてみます。
Q.もうadmテンプレートは必要ないのか?
A.はい、特に必要ありません。ただし、以前のカスタムadmファイルを使用することはできます。
Q.以前のカスタムadmテンプレートをVistaやw2008に適用できるの?
A.はい、できます。
Q.admxファイルで記載されている内容はXPでも使えるの?
A.はい、使えます。GPOの大原則として「テンプレートには依存しない!」ということです。
Q.admxファイルの編集ができるのはどのOS
A.Vistaとw2008です
ここで考えると、admテンプレートは過去のものとなりつつあります。理想は全てadmxにしてセントラルサイトを構築することになりますね~
では、今まで使用していたカスタムadmをadmxに自動的に変換できないのか?
回答としてはできないことはないとなります。
一応、マイクロソフトからADMX Migratorというツールが提供されています。
ということで、試しにマイクロソフトより提供されているOffice2003用のadmテンプレートを変換してみました。
Microsoft Office 2003 Service Pack 3 ADM、OPA、および説明文の更新プログラム
ん、エラーが出て変換がうまくいきません。
どうやらこのツールが想定する文法通りに記載されていないとうまくいかないようです。
文字化けも結構ひどいかも~
グループポリシーのアーキテクチャ~その1~
Windows Server 2008になって、GPOのアーキテクチャの変更がありました。ではどのように変更したかというと、今まで管理用テンプレートはadmファイルとして提供していましたが、XMLベースのadmxファイルになりました。このadmxファイルは言語情報が記載されているadmlファイルと対になって提供されています。
この利点はベースの部分は同じ(admx)で、言語に依存する部分(adml)とわけることによって、言語ファイルを複数用意することにより多言語への対応が容易になります。
さらに次のようなこともあります。
今まではGPOを作成すると、ローカルのテンプレートファイルをGPOに組み込んでいました。これにより約4MのファイルがGPOごとにコピーされることになり、GPOの数が多いとsysvolフォルダの領域が大きくなり複製トラフィックの増大につながる原因になっていました。
Windows Server 2008ではどうなったか?
基本的にGPOにはテンプレートファイルはコピーされなくなりました。それでは編集時にはどこからテンプレートファイルを参照するかというと編集しているコンピュータのローカル(c:WindowsPolicyDefinitionsフォルダ)から読み込むことになります。
参照:Windows Server 2008 リソースキット(グループポリシー編)p274
グループポリシー管理コンソール(GPMC)を使用する際、通常はPDC-EのDCに接続されますがテンプレートはローカルから。ただし、組織の要件(サイトを分けているなど)によっては必ずしもPDC-EのDCで編集するとは限りません。
このことから編集を行う全てのコンピューターのローカルに適用するadmxファイルがないと管理用テンプレートの不整合が発生する可能性があります。そこでこの問題を解決するのがセントラルサイトになります。セントラルサイトとは、sysvolにadmxファイルを保存する領域になり、これによってadmxファイルの一元管理が可能になります。
このセントラルサイトを作成すると、GPOは必ずセントラルサイトを参照することになるのでadmxファイルの不整合は起こらなくなります。特に追加のadmxファイルを入れたりするとその便利さは体感できます(Office 2007のadmxなど)
ちなみにsysvolの複製方法としてはFRSもしくはDFSRが使用されます。DFSRの詳しい内容は安納さんのブログで紹介されています。
【Windows Server 2008】 Sysvol 複製を FRS から DFSR に移行するには Dfsrmig.exe コマンドを使用する
ではセントラルサイトの作成方法を確認します。
実はすごい簡単にできます。
通常、admxファイルは
c:WindowsPolicyDefinitions
配下にあります。
このフォルダ全部をそのまま、Sysvolホルダ配下(共有がされている方)のPoliciesホルダにコピーします。
例
xcopy %systemroot%PolicyDefinitions* %logonserver%sysvol%userdnsdomain%PoliciesPolicyDefinitions
と入力します。
このPolicyDefinitions配下にadmlファイルが保存されている言語ごとのフォルダが入っています。日本語の場合はja-JPになります。
ですので追加の管理用テンプレートをセントラルサイトに保存するときはadmxとadmlの場所を間違えないように気お付ける必要があります。
この作業はPDC-Eで行うのが推奨となります。
FSMOを確認するには
netdom query fsmo
で確認できます。
GPOの基本設定
Windows Server 2008のGPOを眺めていると「基本設定」という項目があります。
今まではスルーしていたんですが、Windows Server 2008 リソースキット<グループポリシー編>を読んでいるとこの話が出ていました。実は私が行っているトレーニングではこの話は一切出てこないのでリソキを読むまで知りませんでした。
ちなみにこのリソキの監修はフィールドSEあがりの安納ですでおなじみの安納さんが行っています。
この基本設定を設定すればいろんなことができるんだ~なんて思っていましたが、大事な前提があります。それは次の通り。
<グループポリシーの基本設定のCSE>
W2008では、グループポリシーに「基本設定」という項目群が新設された。
これらの項目の設定内容を受け取って適用するには、クライアント側コンピュータに「基本設定」用のCSE(client-side extensions)がインストールされている必要がある。
・W2008の場合
「基本設定」用CSEはすでにインストールされている。
・Vista、2003sp1、XPsp2の場合
各OSバージョンごとの「基本設定」用CSEをダウンロードし、別途インストールする必要がある。
ダウンロードサイトは下記。
http://support.microsoft.com/kb/943729/en-us
http://support.microsoft.com/kb/943729/ja
なお、グループポリシーの「基本設定」という項目群の設定が行えるのは
W2008またはRSATをインストールしたVistaSP1の、GPMCのグループポリシー管理エディタである。
参考:Windows Server 2008リソースキット グループポリシー編 p331
ということで、この基本設定の機能を使いたい場合にはクライアント側にCSEをインストールする必要があります。