Hyper-V Replica におけるトラブル例

Hyper-V Replica を設定したけどうまくレプリケーションできないことがあるそうです。1つの原因として、Kerberos 認証に起因する場合があります。

SPN (Service Principal Name) の設定がうまくコンピューターオブジェクトに反映されていないのが原因のようです。

各属性には NetBIOS 名だけではなく FQDN も必要とのことでした。

Primary server:

Hyper-V Replica Service/PrimaryServer
Hyper-V Replica Service/PrimaryServer.domain.lcoal
Microsoft Virtual System Migration Service/PrimaryServer
Microsoft Virtual System Migration Service/PrimaryServer.domain.lcoal
Microsoft Virtual Console Service/PrimaryServer
Microsoft Virtual Console Service/PrimaryServer.domain.lcoal

Replica server :

Hyper-V Replica Service/ReplicaServer
Hyper-V Replica Service/ReplicaServer.domain.lcoal
Microsoft Virtual System Migration Service/ReplicaServer
Microsoft Virtual System Migration Service/ReplicaServer.domain.lcoal
Microsoft Virtual Console Service/ReplicaServer
Microsoft Virtual Console Service/ReplicaServer.domain.lcoal


もしこのような現象が発生したら確認してみてください。

参考サイト
Hyper V Replica Failed to Enable Replication

Windows Server 2012 のクラスターログに関して

Windows Server 2008 R2 のクラスターでは Event Tracing for Windows (ETW) を使用して クラスターイベントを収集し、etl ファイルを生成していました。その設定は、スタートアップ イベント トレース セッションとしてクラスター診断用のトレースが設定され、このトレースセッションによって、[C:WindowsSystem32winevtlogs] に ETL ファイルが出力されていました。

この ETL ファイルを元ネタとして Tracerpt.exe を使用してイベントビューワー形式にするか、Get-Clusterlog コマンドを使用してテキストに変換するなどして、クラスターログを確認していました。

Windows Server 2012 の クラスター構成においては、この ETL ファイルは吐き出されなくなりました。よって、イベントトレースセッションにもクラスターログの設定はありません。

どうやら、Windows Server 2012 では、Operational と Diagnostic が取得されるようになり、ETL ファイル相当の内容は Diagnostic に出力がされるようになったようです。 要するに、わざわざ ETL から Tracerpt.exe を使用して変換をしなくてもイベントビューワーで見れるようになったと考えられます。

以前と同様にテキスト形式のクラスターログは、Get-ClusterLog コマンドを使用します。

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ドメインに入れなくなったらどうする?

知っている人は知っている?

ちなみに私は知りませんでした。いわゆる、セキュアチャネルの問題ですが・・・・ドメインに入れなくなったら今までは、ワークグループに戻してから再度ドメインに参加することをしていました。

が、こんな便利なコマンドがありました!

Test-ComputerSecureChannel –Repair

このコマンドの使い方ですが、ドメインに参加できなくなったらローカルの管理者アカウントでログオンします。そしてPowerShellでこのコマンドを実行する。ログオフすると、ドメインに参加できるようになります。

どうやら、Windows Server 2008 R2 の時から使えたらしいです。

いや~、ワークグループに戻さなくていいのは楽ですね!

Hyper-V ホストから VM へのファイルコピー

Hyper-V が出る前は Virtual PC という仮想アプリを使用して仮想環境を構築していましたが、その際便利な機能がありました。それは、ホストマシンからネットワークを経由せずに直接仮想マシンにファイルをコピーすることができたのです。

しかし、Hyper-Vにはそのような機能はありませんでした。しかし、Windows Server 2012 R2 にはその機能が復活しました!ただし、前提としてホスト、ゲスト共に、Windows Server 2012 R2 であること。

ということで、検証してみます。実は GUI と PowerShell の2つの方法があります。それぞれ、使用するテクノロジーが違います。

GUI 経由でのコピー

GUI を使用したコピーは Hyper-V ホストの設定より「拡張セッションモードポリシー」より「拡張セッションモードを許可する」にチェックを入れる必要があります。

WS000058

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仮想マシン自動ライセンス認証に関して

Windows Server 2012 R2 の Hyper-V 上で稼働する VM (ただし、現状では Windows Server 2012 R2)は、Hyper-V ホスト が認証されていれば、自動的にライセンス認証される仕組みが取り入れられました。これを自動ライセンス認証(Automatic Virtual Machine Activation : AVMA)といいます。

AVMA のライセンスキーはこちら

Datacenter :XVNRV-9HTX4-TH2JD-HVJQD-QRQWG
Standard    :HXFNP-8HYQ3-4FMC3-2DHJ9-M97JF
Essentials  :7VW9N-8C48X-J6442-J3KM6-FVTM9

特に検証作業などにおいてはこの機能は助かります。

2013/10/1 追記(RTMのキーが書かれています)
http://technet.microsoft.com/en-us/library/dn303421.aspx

Datacenter : Y4TGP-NPTV9-HTC2H-7MGQ3-DV4TW
Standard : DBGBW-NPF86-BJVTX-K3WKJ-MTB6V
Essentials : K2XGM-NMBT3-2R6Q8-WF2FK-P36R2

AVMA はあくまでも仮想マシンのライセンス認証なので、ターゲットは仮想マシンの展開時ということになります。ですので通常は Sysprep 済みの仮想マシンを展開したのちに割り当てることになると思います。

そこでこの機能を試してみます。

slmgr /ipk

コマンドを使用して AVMA キーを入力します。

WS000053

System Center 2012 VMM を使用した展開時の ゲスト OS プロファイルに指定するライセンスはこれにすればいい感じになりますね。

また、ライセンス認証の確認としては、Hyper-V ホストのイベントログ(アプリケーション)に「12310」として表示されます。ここにはライセンス認証された仮想マシンの VMID が表示されます。

WS000054

え!、VMID がわからない?そんな時は次のコマンドを実行しましょう。

Get-VM –Name <VM名> | ft vmid –atuosize

WS000055

Hyper-V Replica の新機能

Windows Server 2012 から Hyper-V Replica が導入されました。この Hyper-V Replica に関しては以前投稿したHyper-V Replica に関してのスライドをみていただければと・・・

では Windows Server 2012 R2 の Hyper-V Replica ではどのよう変わったのか?

主な変更点はわかっているだけで 2 つあります。

・レプリケーション間隔が 30 秒、5分、15分から選択可能
・レプリカのレプリカが作れるようになった

Hyper-Vレプリカ

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動的なクォーラム監視に関して

Windows Server 2012 から追加されたダイナミッククォーラムと何が違うのか?ということですが、今までのダイナミッククォーラムはノードのみを対象とした制御だったものが、監視ディスクや監視ファイルも制御対象になったということになります。

そもそも、監視ディスクは投票権を持つだけではなく、クラスタコアリソース(デフォルト仮想サーバー)からクラスタ構成データベースの情報を同期するという役目を持っています。ですので、最終的に最新の情報を監視ディスクが持つことになります。これが監視ディスクなしのノードマジョリティー構成の場合は、最新のクラスタ構成データベースは一番最後にダウンしたノードが持つことになり運用に課題がありました。

そのようなこともあり、「ノードマジョリティー」構成よりも「ノード及びディスクマジョリティ」で運用するのがよりベターということになります。しかし、Windows Server 2008 R2 のころはノード数によって推奨のクォーラムモードがことなるので、ノードが偶数のときは「ノード及びディスクマジョリティ」、奇数の時は「ノードマジョリティー」となっていました。

Windows Server 2012 では基本的な考え方は以前と変わりないですが、ノード全体数の過半数を維持できない状態でもクラスターが存続する仕組みを搭載しました。それが「ダイナミッククォーラム」になります。

そして、今回搭載された「動的なクォーラム監視」が追加されたことによって、基本的な構成として「ノード及びディスクマジョリティ」が推奨になるということだと考えられます。

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仮想ハードディスク共有に関して

遅ればせながら、Windows Server 2012 R2 preview を入れて検証をしています。

ということで、興味のあった「仮想ハードディスク共有」を検証してみました。

仮想ハードディスク共有とは、仮想マシンに接続する仮想ディスク(VHDX)を複数の仮想マシンで共有して使用するものです。ターゲットはクラスターの共有ディスクとしての使用です。

今までは、仮想マシン上でクラスターを構成するためには iSCSI or FCoE を使用して共有ディスクを接続するしかなかったのですが、SMB3.0 を使用することにより仮想ディスク共有ができるようになりました。

ただし次の要件があります。

仮想ディスク(VHDX)の保存場所は スケールアウトファイルサーバー(SOFS) 共有、もしくは、MSFC の クラスター共有ボリューム(CSVFS)になります。通常はSOFS を構築することになりますね。

SOFS に関しては「Windows Server 2012 フェールオーバー クラスタリングの構築・運用・管理ガイド」を参考に構築していただけれと思います。

設定方法はいたって簡単!

仮想ハードディスクを予め、SOFSに保存しておきます。そして仮想ハードディスク追加して指定します。

WS000024

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Hyper-V Replica に関して

先日、SCUGJにて Hyper-V Replica のお話をさせていただきました。その際に使用したスライドを共有します。

http://www.slideshare.net/NaokiAbe/hyper-v-24568782

また、8月2日にマイクロソフト社で行われる 「Windows Server 2012 Community Day」 においても、ほぼ同様のお話をこのスライドを使用してさせていただきます。

若干 Windows Server 2012 R2 の情報もちりばめる予定です。

Windows Server 2012 Hyper-V と SMB3.0

Windows Server 2012 に搭載された SMB 3.0 のファイル共有において、仮想マシンを配置できるようになりました。そこでさまざまなパターンを想定し検証してみました。

パターン1

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Hyper-V ホストが2台あり、ファイルファーバーが1台という構成です。当然ながら Hyper-V ホストおよびファイルサーバーの冗長性は確保されていません。ファイル共有に仮想マシンを配置することによる運用が可能です。

パターン2

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Hyper-V ホストをクラスター化し、ファイルサーバーが1台という構成です。これにより、Hyper-V ホストは冗長化され耐障害性が向上しますが、ファイルサーバーがダウンしたら仮想マシンは全滅します。この際の設定ポイントは、ファイル共有のアクセス権に Hyper-V ホストのコンピューターオブジェクトに対してフルコントロールを適用させることです。これを行わないとライブマイグレーションができません。

パターン3

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これは、Hyper-V ホストをクラスター化することにより、仮想マシンの冗長性を確保。そして、ファイルサーバーは通常のクラスター化されたファイルサーバーではなく、Windows Server 2012 より使用できるようになったスケールアウトファイルサーバーにします。クラスター化されたファイルサーバーだとノートがダウンした際に多少のダウンタイムが発生するのでそれが仮想マシンからみると障害と認識される可能性が高いので・・・・

スケールアウトファイルサーバーにおいては、CSVFS上にファイル共有を作成しダウンタイムなしにノードの切り替えが可能なので仮想マシンの置き場所であるファイルサーバーの障害性が向上します。

この際も、必ずファイル共有のアクセス権に Hyper-V ホストのコンピューターオブジェクトのフルコントロールを適用させるのを忘れずに行う必要があります。

まとめ

SMB3.0の共有を使用することにより、仮想マシンを配置する構成が可能になりました。ファイル共有のタイプはシングル、クラスター、SOFSどのパターンでも使用可能です。そしてホスト側もシングル、クラスター関係なく使用可能です。

今までは各 Hyper-V ホストに対して iSCSI や Fiber などを予め接続する必要がありましたがその構成が必要なくなります。これは大きなメリットになると考えられます。今後はSMB3.0を使用した構成が増えてくるかもしれません。