Windows Server 2008 R2 導入後に行うべき設定~Network編

Windows Server 2008 R2 導入後に行うべき設定 も参考にしていただければ幸いです。

今回はネットワーク編としてやっておいた方がいい設定を記載します。

■SNPの無効化

■DNS動的更新のチェックOFF(複数セグメント)

SNPの無効化に関して

これは以前から話題になっていましたが、改めて復習します。

SNPとは「Scalable Networking Pack」のことで、TCP に関するネットワーク処理を、NIC およびドライバを利用して最適化するためのテクノロジー及びその実装の総称になります。当然のことながらSNPに対応したNICおよびドライバが必要となります。

またPackという単語からもわかるとおり、ネットワークの様々な機能を包括しています。具体的には次に紹介する3つの機能を指します。

1. Receive Side Scaling (RSS)

マルチCPUおよびマルチコアCPUを利用している場合、TCP の受信処理を複数のコアに分散するテクノロジーになります。そもそも、RSSが機能していない状態(通常のネットワーク通信)では、たとえマルチCPUであっても、TCPの受信処理は単一のコアで行われるので、特定のコアのみに処理が集中されるという課題がありました。

A. 対応NIC例

Intel製NIC

Broadcom製NIC

Realtek製NIC

2. TCP Chimney Offload

TCPに関するネットワーク処理をNICで行うことにより、コンピューターのCPUの負荷を軽減するテクノロジーになります。TCPチェックサムの確認と送信データのセグメンテーションについては、以前からTCP の連続的な状態を管理しない簡易的な機能として「TCP Task Offload」や「Large Send Offload」がありました。

3. Network Direct Memory Access (NetDMA)

ネットワークの受信データをネットワーク アダプターの受信バッファーからアプリケーションのバッファーへコピーする作業をCPU によって行うのではなく、チップセットを含むシステム全体が連携し、Direct Memory Access機能により行うためのテクノロジーになります。

要件

  1. BIOSで有効であること。
  2. Intel I/O Acceleration Technology (I/OAT)をサポートしていること。具体的にはIntel 5000 シリーズチップセットなど(サーバー用)が該当するようです。
  3. NetDMAと一緒にTCP Chimney Offloadを使用することはできない。ハードウェアサポートおよび設定が両方とも有効になっていた場合はTCP Chimney Offloadが優先される。

そもそも論として、これらの技術が対象としているのは10Gbitネットワークで、1Gbitネットワークなどではあまり(ほとんど?)恩恵を受けられません。更に、これらがWindows Server 2008 R2ではデフォルトで有効になっていますが、不意なリセットの送出や、パケットレベルでの動作に起因して、パフォーマンスが逆に低下するなどの現象が発生しているようです。要するにまだ成熟されていない状態です。よって、明確に使用する意図がないのであれば、SNPは無効化する方が良いということになります。

確認方法

コマンドプロンプトにて次のコマンドを実行

netsh int tcp show global

アクティブ状態を照会しています...

TCP グローバル パラメーター

----------------------------------------------

Receive-Side Scaling 状態              : enabled

Chimney オフロード状態                 : automatic

NetDMA 状態                            : enabled

Direct Cache Acess (DCA)               : disabled

受信ウィンドウ自動チューニング レベル  : normal

アドオン輻輳制御プロバイダー           : none

ECN 機能                               : disabled

RFC 1323 タイムスタンプ                : disabled

** 上の autotuninglevel 設定は、少なくとも 1 つのプロファイルのローカルポリシー構成を
上書きするウィンドウ スケーリング ヒューリスティックの結果です
TCP Chimney Offload の automatic mode が有効になる要件は次の通り
  1. 10 GbE
  2. Round trip time (RTT) が 20 ミリ秒以下
  3. 該当の接続にて 130 KB 以上の通信が発生

TCP Chimney Offload がサポートされているかを確認するコマンド

netsh int tcp show chimneystats

Idx  Supp  Atmpt    TMax    PMax     Olc              FailureReason
---  ----  -----    ----    ----     ---              ------------
 10   いいえ  -n/a-       0       0       0                       -n/a-

  Idx           - システムで使用されるインターフェイス (NIC) インデックス
  Supp          - インターフェイス (NIC) は TCP Chimney オフロードをサポート
  Atmpt         - システムが TCP 接続オフロードを試行
  TMax          - NIC によってアドバタイズされたオフロード容量
  PMax          - システムで観察されたオフロード容量
  Olc           - 現在オフロードされている接続の数
  FailureReason - 前回接続のオフロードの試行に失敗した原因

 詳細については、'netsh int tcp show chimneystats (Idx) ' を使用してください。

NetDMA機能のTCP/IP統計情報を確認するコマンド

netsh int tcp show netdmastats

TCP DMA 統計
---------------------------------------------------------
NetDMA を使用してコピーした合計バイト数    : 0
CPU を使用してコピーした合計バイト数       : 68206265
NetDMA コピーの合計エラー数               : 0</pre>

SNP無効化方法

Receive-Side Scaling(RSS)の無効化

netsh int tcp set global rss=disabled

TCP Chimney Offload の無効化

netsh int tcp set global chimney=disabled

Network Direct Memory Access(NetDMA)の無効化

netsh int tcp set global netdma=disabled

実はWindows7も同じ設定なので、同様にSNP無効化をした方がいいかもしれません。

DNS動的更新のチェックOFFに関して

DNSへ登録設定

デフォルトでネットワークのTCP/IP設定は

この接続のアドレスをDNSに登録する

にチェックが入っています。これは全てのNICに割り当てられたアドレスがDNSに登録されることになります。例えば、マルチセグメントのコンピューターの場合複数NICが存在しますが、DNSに登録してほしくないアドレスまで登録されることになります。よって、DNSに登録してほしくないアドレスが割り当てられているNICに対しては、明示的にこのチェックをはずす必要があります。

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